ストックオプション制度とは、会社が取締役や従業員に対して、将来の一定期間(権利行使期間)内において、あらかじめ定められた価額(権利行使価額)で会社の株式を取得することのできる権利を付与することをいいます。付与を受けた取締役や従業員は、権利行使することで、株価を事前に定められた価額で取得することができます。株価が上昇していれば売却してその差額の分の利益を得ることができます。
■課税関係は?
ストックオプションを付与された者(個人の場合)の課税関係は次のとおりとなります。
税制適格ストックオプションは譲渡するまで課税が繰り延べられ、さらに、譲渡所得の一律の税率(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)で課税されるため、一般的には課税上は有利になると考えられます。
■税制適格ストックオプションの要件は?
ストックオプション税制の適用を受ける税制適格ストックオプションは、次のすべての要件を満たすストックオプションのことをいいます。
1.付与対象者が次のいずれかに該当するものであること(一定の大口株主及びその特別関係者を除く。)
・自社の取締役、執行役または使用人(およびその相続人)
・発行済株式総数の50%超を直接または間接に保有する法人の取締役、執行役または使用人(およびその相続人)
2.権利行使期間が付与決議の日後2年を経過した日から付与決議の日後10年を経過するまでの間であること
3.権利行使価額がストックオプションに係る契約締結時の一株当たり価額以上であること
4.権利行使価額の合計が年間1,200万円を超えない。
なお、監査役は付与対象者要件には当てはまらないため、監査役に付与したストックオプションは税制適格ストックオプションとはなりません。
同様に業績向上のインセンティブとして用いられるリストリクテッド・ストック(RS)の解説はこちら。